今日はお産入院中の日々を書こうと思います。ドイツでお産入院する場合は、お産をした日+3日間で退院していくのが通例です。例えば、日曜日に出産した私の場合は水曜日の午後には退院することになります。中には「外来出産」といって、産んだその日に帰っていく人も!!信じられません・・・。私も当初はドイツ人と同じく水曜日に退院の予定だったのですが、いろいろとありまして結局、ドイツでは異例の6日間入院コースになってしまいました。
15日・出産当日
6:00過ぎに分娩室から病室に運ばれて、仮眠をとっていると・・・7:30に朝食が運ばれてきて目が覚める。通常、朝食はブュッフェ形式なので自分で取りに行くのだが、お産直後と言う事で看護婦さんが適当に選んで運んできてくれた。食べようと思って起き上がろうとしたら、傷が痛くて1センチ動くのも辛い。し、信じられない・・・。その後、看護婦さんによる検温・血圧測定。「一番最初にトイレに行く時は念のため看護婦が付き添うからナースコールして下さい。」と言われていたので、このまま一緒にトイレに連れていってもらう。歩くの辛い!便座に座っても尿意の感覚が分からず、しばらく時間がかかった。「朝食を食べたらシャワーも浴びに行きましょうね。」と提案されるがこんな痛みでシャワーなんてあり得ない。勝手に聞き流す事にする。(笑) 10:00頃、医師の回診。偶然、産前の検診でお世話になった先生だったので「もう生まれちゃった!」と笑顔で報告。「おめでとう!おぉ、2900グラムにまで育ったかぁ。素晴らしい!お幸せにね。」と言ってくれる。その後、11:00にお昼ご飯、17:30に夕ご飯というのがどうやらこの病院のリズムらしいことが分かった。
16日
授乳のこともあって、かなりの睡眠不足だけれど、お腹が空いたので7:30になったと同時に朝食を取りに行く。何処に居ても食い意地はってます。まだ動く度に気合が必要だけれど、1日経つとかなり傷の痛みも落ち着いてきた。う○こがまだ出ていない事を看護婦さんに伝えると、マグネシウムを処方される。今日は頑張ってシャワーを浴びに行ってみた。さっぱりして気持ちが良かった!病院生活2日目になって、同室の女性が電話魔だということに気がつく。かなり頻繁に電話がかかってきて延々しゃべっている。神経質な人だったら気になって眠れないだろうけど、幸い私は何時でも・何処でも眠れる人種なので良かったけど。
17日
7:30の朝食に始まり、今日も同じようなリズムで入院生活を送る。10:30に退院しても良いかどうかの検診を受ける。産後の経過は良好ということで、明日退院することを許可される。午後、きのこに授乳しようとしている私のところに、爽やかな笑顔のお兄さんがやってくる。いきなり「今から授乳しますか?」と聞かれたので「え、なんでこの兄ちゃんが授乳指導をするんだ?!」と思いつつも片乳を出そうとしたら・・・「あ、まずは自己紹介しないとですね。私、産褥体操のトレーナーで○○といいます。」ときたもんだ。乳、出さなくて良かった・・・。基本的な体操を教えてもらって、一日講座の案内を貰う。その時、「ここ、ご自分でも触ってみてください。」と言われてお腹に手をあてたら・・・肋骨の間も隙間が空いてるんだ!!産後の身体ってやっぱり凄い事になっていると実感する。「貴方は指2本分くらいしか空いてないから大丈夫、すぐに戻りますよ。」と言われる。その後、授乳のことで「事件」発生。(これは後日、授乳話で詳しく書きます。)すっかり病棟スタッフの間で有名人(?)になってしまう。同室の女性が夕方、退院していったので新しい人が入院して来るまでは一人部屋になる。
18日
今日の午後には退院ということで、いままで病院支給の服で過ごしていたが、自前の服に着替えて過ごす事にする。退院前に産褥体操の講座も行っておこう♪などと思っていたお昼過ぎに「事件」が起きる。きのこに退院前の検診(U2)を受けさせるために新生児室に向かっている途中、「ドバッ」と
悪露が出る感覚がした。慌ててトイレに行こうとしたが、後から後からドボドボと血が流れてくる。せっかくの自前の服は血まみれ、サンダルも血まみれ。この時は本気で「私、死ぬ。」と思うほどの出血量だった。泣きながら看護婦さんに助けを求める。まず看護婦さんと一緒にシャワーで身体を綺麗にして、医師に診察してもらう。すっかり動揺している私を心配して、看護婦さんがいろいろな冗談を言って笑わせてくれる。結果は問題なし。でも、不安になった私は看護婦さんに頼んで退院を明後日に延期してもらう。すっかり血まみれになった私の服を持ち帰って洗ってくれた旦那さんのセリフ「まるで殺人犯にでもなった気分だったよ。風呂場で証拠隠滅中みたいな。」大変、お世話になりました。
19日
お腹が空いて目が覚めて、さっそく朝食を取りに行くと・・・また大量に悪露が出た感覚がして、慌ててトイレに逃げ込む。今回は落ち着いて対処できた。血の流れが止まるのを待って看護婦さんに報告。念のため、午後からエコー検査をしてもらうことになる。検査結果は異常なし。「今日で退院できます。」とのことだったが・・・今度はきのこの
新生児黄疸が問題に。念のため、明日の朝、黄疸の値を再検査するから貴方の体調の良し悪しに関係なく退院は明日以降になると助産婦さんに宣告される。明日から私は「患者」ではなくきのこの「付き添い」としての滞在になるので事務に行って登録変更をしてくる。
20日
今日、退院できるかはきのこの検査結果にかかっている。もし値が悪ければ光線治療をする為に少なくとも土曜日までは入院していなければいけない。ドキドキしながら結果を待っていたら、新生児室からお呼びがかかる。小児科医の居る部屋に案内されて検査結果の報告を受ける。「今日で退院です。」母、大感激!やっと我家で3人の生活をスタートできる!でも、「念の為、日曜日に外来で再検査してください。」とも言われる。いろいろあって、産褥体操の講座に行きそびれていたので、午後の回に参加する。その後、入院中にお世話になった助産婦さんや看護婦さん、医師の皆さんにお礼を言ってお別れしてくる。夕方、またまた大家さんのご好意に甘えて車で迎えに来てもらって旦那さんに付き添われながら無事に退院した。思いかげず長引いた入院生活。玄関のドアを入った途端、ほっとして嬉し涙が溢れてきた。やっぱり我家が一番 !! この日の夕ご飯は旦那さんが作ってくれた肉じゃが・お豆腐とワカメの味噌汁・ご飯だった。とっても美味しかった!